中国・アジアの工場進出情報

2011.6.1 Vol.23 No.10
産業アナライズ<自動車>
中国自動車メーカーの独立度測定・3
 セカンドバイヤーを抱き込めるか

 上海汽車と独・VW(フォルクスワーゲン)の合弁である上海VWは、小型車のヒット作「ポロ」をベースに中国向け専用モデルを投入することを決めた。VWのロシア工場製と同じ仕様になるという。昨年の中国市場での「ポロ」は、新旧モデル合わせて12万6000台が販売されたが、新モデルはワンランク上のカテゴリーで販売が続けられている80年代設計の旧型モデル「ジェッタ」の代替となるようだ。「ジェッタ」はトヨタ「カローラ」などと同じカテゴリーだが、新型「ポロ」のプラットフォーム(車両の基本骨格)は現在の「ジェッタ」と同等のサイズに格上げされていることから、ドイツ本国では車名が消滅した「ジェッタ」を中国向けに専用開発し生産する。昨年の「ジェッタ」販売台数は22万4500台であり、このカテゴリーでは第4位。2位には、これもVWの中国向け専用モデルである「ラヴィダ」が位置し、VWグループはこのカテゴリーで48万台を販売している。「ジェッタ」の一新でVWは、チェコのスコダ、スペインのセアトという傘下ブランドも含め70万台程度の販売をねらう。そのターゲットは、初めて買った自家用車の代替えを考えているセカンドバイヤーである。中国ブランドの廉価車を「初めての自家用車」として購入した層に、外国ブランドの魅力と品質の高さで売り込む。しかし販売価格は抑えるという戦術である。
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