中国・アジアの工場進出情報

2011.5.1 Vol.23 No.8
ビジネスレポート
変貌遂げる中国の金型生産環境を
多角化で乗り切る昆山未來工業

 上海市から隣接している中国江蘇省昆山市に入ったところに日本と関係が深い台湾系金型メーカーである昆山未來工業精密模塑科技有限公司がある。同社の陳佐霖(玉坤)社長(総経理)は、40年の歴史がある上海金型技術協会(上海模具技術協会、会員約380社)の副会長を2007年から務めているが、「金型は中国の10万社で製造されており、その内5万社が金型専業。台湾からは現在、4,000社の金型・関連企業が中国で操業中」と説明する。中国の金型技術協会は上海の他、中国全土に73の協会があり、情報交換が常時できる体制にあるという。沿海の昆山と蘇州に3,000社の金型メーカーがあるが、四川省にも2,500社の金型メーカーがあるなど内陸部での金型メーカーが増えていると陳さんは説明する。各地での有力メーカーが金型技術協会の会員であることから、陳さんは「日本企業と一緒にこのネットワークを使って金型関連事業を進めたい」(同)と考えている。一方で陳さんは、金型製造は中国ではすでに過当競争に陥っており「金型はもうからない業種になってしまった」ともいう。そこで今年からスタートさせた陳さん家族が100%出資している昆山未來工業精密模塑科技では「中国ローカルの金型メーカーなど他社ができる仕事はどんどん外注に出し、付加価値が付く他社ができない仕事だけに特化、金型以外への経営多角化を図る」(同)ことで利益が出る体質を目指している。
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