中国・アジアの工場進出情報

2011.1.15 Vol.23 No.1
産業アナライズ<自動車>
実用品レベルには何とか到達
しかし国際競争力はまだまだ
――中国生産モデル試乗印象その2

 前号に続いて、最新の中国生産モデルに試乗した印象をお届けする。筆者がもっとも力を入れている仕事は自動車技術解説であり、そのために年間40〜50台のモデルに試乗している。近年は、日本車の技術革新が以前と比べて滞っていることと、部品メーカー丸投げの商品開発が増えたことが筆者の心配事だが、日本のメディアが「コピー車」としか伝えていない中国の独自開発車は、この5〜6年で大きく進歩した。もちろん、まだ海外市場で戦えるほどの商品力はなく、輸出の大前提となる衝突安全性と排出ガスで言えば、日欧米に比べると20年前くらいの水準である。一時期は輸出市場開拓に意欲を見せていた非国営の独立系自動車メーカーは、安全・環境基準の低い地域に対してだけ輸出を行っている。EUに少量輸出されている例では、小規模メーカーや自作自動車のために残されている国別認証を利用している。現在の中国車のレベルはその程度である。しかし、実際にハンドルを握って走らせたり、後部座席での移動を体験してみると、「もうここまで来たか!」という印象も抱く。侮り難い存在になってきたことは間違いない。
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