中国・アジアの工場進出情報

2010.3.15 Vol.22 No.5
産業アナライズ<自動車>
競争激化した自動車用鋼板
台頭する韓国、インド、そして中国

 「鉄は国家なり」とは、とっくの昔に廃れてしまった表現ではない。家電でも自動車でも、新しい高付加価値鋼材の需要は世界的に拡大している。20世紀の工業生産を支えた軟鋼ではなく、超高張力鋼や表面処理鋼板といった新世代の鋼材は、現在のハイテク素材である。08年秋のリーマンショックによって工業製品の生産は激減したが、日本国内の鉄鋼生産に限って言えば、海外需要が国内の落ち込みを補う形で回復基調にある。とくに自動車用の薄板(冷延厚鋼板)は、日系自動車メーカーの海外生産向け用途が好調であり、中国やインドでの現地生産のため日本の自動車メーカーが発注する鋼材量の増加によって、自動車用薄板の需要はリーマンショック以前の水準に近いところまで回復してきた。しかし、その一方では中国やインドで国内鉄鋼メーカー製の高付加価値鋼材が出回るようになってきた。新興国での自動車需要をねらって、鋼材の分野でも競争が激化しつつある。
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