中国・アジアの工場進出情報

2010.2.15 Vol.22 No.2
産業アナライズ<自動車>
中国製乗用車の商品力総点検・番外編
「日本車」が競争力を無くす日

 前回まで3号にわたって中国で開発・生産される自動車の「いまの性能」を筆者なりの分析で報告してきた。中国の自動車産業を15年以上にわたって取材してきた者として、世界最大の自動車市場になった中国が生産する商品の姿を記しておきたいというのが動機だった。結論を言えば、中国ブランド車はまだ日本車の脅威にはなり得ない。世界市場で通用する製造品質や信頼性、安全性は備えていない。しかし、彼我の差は急速に縮まりつつある。すでに中国ブランド車は、姿形と「走り味」の一部で日欧米の製品をうまく真似ている。世界の自動車市場を年間7,000万台とするなら、その半分は近未来の中国ブランド車が安さを武器に大暴れできる市場だろう。これから自動車市場になる地域についてはなおさらである。内燃機関を積んだ自動車が新車販売台数でEV(電気自動車)に逆転されるのは50年後だと筆者は見ているが、中国が自動車産業によって富を得る期間は、相当に長くなるかもしれない。日本車にとっては、その競争力に陰りが見えてくることも充分に危惧しなければならない。
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