中国・アジアの工場進出情報

2010.1.1・15 Vol.22 No.1
産業アナライズ<自動車>
中国製乗用車の商品力総点検・その2
ボルボを買収する吉利汽車の実力

 中国独立系自動車メーカー大手の吉利汽車は、スウェーデンの乗用車メーカーであるボルボ・カーズ(以下VCC)を買収する決定を下した。VCC株は現在、米・フォードが所有しているが、吉利は3月までに買収を完了するという。中国の新興勢力の中で吉利は、奇瑞汽車や比亜迪汽車(BYDオート)と並ぶ大手であり、09年は政府の自動車購入支援の恩恵を受けて業績を大きく伸ばした。ボルボ買収の背景には広東省=BYD、安徽省=奇瑞に対抗する浙江省および吉利を支援する銀行団の思惑が見え隠れするが、奇瑞がクライスラーおよびフィアットとの提携で商品力を向上させたように、吉利もVCCを「ジャンプ台」に利用するのだろうか。吉利の開発組織が効率論やコスト論では測れない自動車づくりの「奥義」を理解できるとは思えないが、VCCが持つクルマ哲学の表層だけでも学ぶことができれば、吉利の商品力に与える影響は大きいはずだ。
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