中国・アジアの工場進出情報

2009.8.1・15 Vol.21 No.14
産業アナライズ<化学>
アジアのアクリル原料需給
2008年世界需要15%減〜今年は下期に好転

 アクリル繊維やABS樹脂の主原料となるアクリロニトリル(AN)。2008年の世界需要は前年比15.4%減の442万トンと80万トン強減少した。このうちアジア地域は210万トンと半分近くを占め、これまで世界需要の増加を牽引し続けてきたが、2008年は下期の世界的な景気後退によってそのアジア地域がマイナスに転じたことが大きく響いた。2009年は世界の景気動向と需要回復の度合いによって2通りのケースが想定されるが、いずれのケースにおいても年後半には回復を見込む。前半は低迷が続くとみるケース1では世界需要が3%減の430万トン弱に続落する一方、年初からの回復を見込んでいるケース2では2%増の450万トン強を見込んでおり、今年第1四半期の実績を踏まえると「繊維向けが好調で需要の回復は思ったよりも早く、今のところケース2に近い」(旭化成ケミカルズ)という。いずれにせよ2010年以降には従来の年率1〜2%という成長軌道に戻りそうだ。
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