中国・アジアの工場進出情報

2009.7.15 Vol.21 No.13
産業アナライズ<自動車>
電気自動車戦争が始まる(後編)
従来の自動車ビジネスモデルは通用するか

 EV(電気自動車)の普及で自動車産業の構図が変わる――世の中ではこう言われ始めた。「複雑な内燃機関を積まないEVは簡単に設計できる。現在の自動車メーカーは新興ベンチャーEVメーカーや異業種からの自動車参入にさらされ、現在のビジネスモデルは通用しなくなる」と。しかし、最低限の性能を持った自動車を生産するにしても、安全性と環境面でのさまざまな法規に対応しなければならないし、操縦安定性能や静粛性、乗り心地の「作り込み」も必須だ。それでも、そこまでを顧客が求めないのであれば、EVは小規模ガレージメーカーでも商品化できる。EVに対しては通常動力の自動車より法規の縛りが緩い国や地域もある。「それに自動車は走れればいい。多くは求めない」という需要も少なからずある。低価格EVは将来の市場に期待できる分野だと言える。何と言っても、この分野は現在、大手自動車メーカーが手を着けていない。
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